第7巻第1号 目次
脇本和昌先生を偲ぶ
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脇本和昌会長のご逝去を悼む 正法地孝雄
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脇本和昌教授の著作一覧
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脇本和昌教授追悼文 赤池弘次・浅野長一郎・工藤昭夫・ 栗原考次・林 知己夫・福田善一・Sung
H.Park
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論文
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連結回転グラフを用いたクラスタリング法 柳 貴久男・片岡 武・脇本和昌
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分散分析における欠測値の影響評価に有用なグラフィカル表現法 岩崎 学
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認知的観点による多変量グラフの評価 福森 護・田中 豊
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主成分分析におけるRV係数を利用した変数選択 森 裕一・垂水共之・田中 豊
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変動係数に対するジャックナイフ-t推定とその数値的検討 汪 金芳・田栗正章・大内俊二
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統計教育と統計教育用ソフトウェアの一方向性 栗原考次
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総合報告
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乱数とモンテカルロ法 宮武 修
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ソフトウェア記事
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SAS/MULTTESTプロシジャの生物統計データへの活用 浜田知久馬・岸本淳司
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学会活動記事
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第7回日本計算機統計学会シンポジウム報告 永井武昭
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欧文誌掲載論文概要: J. Japanese Soc. Comp. Statist., 6(1), 1993 大西治男・上坂浩之
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関連学会記事
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東アジア地域計算機統計学会(EARS)発足について 浅野長一郎
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読者の広場
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大学教員と計算機統計学会 宇田川拓雄
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サンディエゴより 長谷川啓子
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編集委員会からのお知らせ
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執筆要項 編集委員会
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ソフトウェア記事:募集要項 編集委員会
連結回転グラフを用いたクラスタリング法
柳 貴久男:岡山大学大学院 自然科学研究科
〒700 岡山市津島中 3-1-1 (Tel. 086-252-1111)
片岡 武:山陽学園大学 国際文化学部
〒703 岡山市平井 1-14-1 (Tel. 086-272-6254)
脇本和昌:岡山大学 教養部
〒700 岡山市津島中 2-1-1 (Tel. 086-252-1111)
近年, 統計グラフィックスの分野において, 多変量データをグラフィックディスプレイに表示し, それに対し回転等の動的な変化を行うことによって, データのもつ情報の詳細な視覚分析が行われるようになった. Wakimoto(1993)はその1つの手法として 連結回転グラフ(Linked Lines Rotation Graphics: LLRG) を提案した. 本論文では, 与えられたデータに対応する LLRGを利用し, それを動的に変化させ, その途中で, 視覚的にクラスタリングを行う方法を提案する.
keyword{Statistical graphics, Dynamic graphical method, Clustering method}
分散分析における欠測値の影響評価に有用なグラフィカル表現法
岩崎 学:成蹊大学工学部経営工学科
〒180 東京都武蔵野市吉祥寺北町 3-3-1 (Tel. 0422-37-3764, Fax. 0422-37-3871)
欠測値はさまざまな統計データに不可避的に現われる. 本論文では, 主に実験データの分散分析における欠測値の影響評価法を議論する. 実験データでは, 欠測値の数こそ調査データに比べ少ないものの, 実験全体での総データ数も少なく, 再実験も困難である場合が多いので, 欠測による解析結果への影響評価を適切に行う必要がある. 欠測への対処法としては, 単純代入法, 多重代入法などが提案されているが, 欠測による影響評価において, 今日のコンピュータのグラフィック機能を利用した新しい方法が望まれる. ここでは, ベイズ法およびその近似法としてのモンテカルロ代入法による結果のグラフ表示, および欠測値と各種統計量との関数表示が有用な情報をもたらすことを, 数値例によって主張する. また, 本手法は欠測値の影響評価だけでなく, 通常の感度分析にも応用可能であることも示す.
keyword{Bayesian inference, Imputation, Monte Carlo simulation, Sensitivity analysis}
認知的観点による多変量グラフの評価 -- 顔型グラフ・レーダーチャート・文字グラフの比較 --
福森 護:中国短期大学経営情報学科
〒701-01 岡山市庭瀬 83 (Tel. 086-293-1100)
田中 豊:岡山大学教養部統計学教室
〒700 岡山市津島中 2-1-1 (Tel. 086-252-1111)
記述主体の多変量グラフの中から, 顔型グラフ・レーダーチャート・文字グラフを取り上げ, それらのグラフによってデータの分類がどの程度可能であるかについて, データの分類実験から得られた実証的データに基づいて検討した. 用いたデータは, 3群の平均の距離が一定になるように生成された3変量・5変量・7変量の3種類の正規乱数データであり, そのデータによって描かれた30個のグラフを被験者に提示し, 3つのグループに分類させるという方法で実験を行った. その結果, 同じ群のサンプルを同じグループに分類した正答率は, 顔型グラフとレーダーチャートでは5変量の場合が最も高い値となり, 文字グラフは, 変量数が少ないほど高い値になることが示された. また, 群間の距離と誤分類との関係について検討した結果, 群間の距離と反応率との間に特徴的な関係を見いだすことができなかった. さらに, 数量化IV類によりもとの群の再現性について検討した結果, 人間の認知による分類によってもとの群が十分には再現できないことが示された.
keyword{Face graph, Radar chart, Letter graph, Cluster analysis}
主成分分析におけるRV係数を利用した変数選択
森 裕一:倉敷市立短期大学
〒711 倉敷市児島稗田町160 (Tel. 086-473-1860)
垂水共之, 田中 豊:岡山大学
〒700 岡山市津島中2-1-1 (Tel. 086-252-1111)
主成分分析における変数選択として, 変数を落す前と落した後の主成分得点の相対的位置の変化が最も小さくなるような変数を順に落していく手法を提唱する. 具体的には, 変数を落すことに対して摂動理論を利用し, 落す前と後の主成分得点の相対的位置の親近性をみる指標として Robert & EscoufierのRV係数を利用する. この手法を Jolliffeや McCabeが提唱している変数選択手法の結果と比較するために, 共通の数値例や Jolliffeが用いた4つの人工データ, およびいくつかの実データにも適用し, 変数のバイプロットやクラスター分析から観察される変数群との比較を行った. また, 提案の手法が摂動を導入していることや相対的位置の比較に用いる元の行列を1変数落すごとに逐次更新していることに対して, 摂動を導入しない場合や更新しない場合についても扱い, 提案の手法の結果と比較した. その結果, 提案の手法が主成分分析における変数選択の1つの手法として利用できることが示唆された.
keyword{Perturbation theory, Backward elimination, Configuration of PC scores}
変動係数に対するジャックナイフ-t推定とその数値的検討
汪 金芳:統計数理研究所
〒106 港区南麻布 4-6-7 (Tel. 03-3446-1501) E-mail: wang@ism.ac.jp
田栗 正章:千葉大学理学部
〒263 千葉市稲毛区弥生町 1-33 (Tel. 043-290-2725) E-mail: taguri@math.s.chiba-u.ac.jp
大内 俊二:木更津工業高等専門学校
〒292 木更津市清見台東 2-11-1 (Tel. 0438-98-5751)
本論文では, 変動係数の推定に対する3種類の近似信頼区間を提案し, それらのもつ性質について解析的および数値的な検討を行う. 3種類の信頼区間としては, 正規近似に基づくもの, 2次および3次のコーニッシュ・フィッシャー展開に基づくものを取り上げる. これらの信頼区間は, ジャックナイフ-t統計量に基づいて構成されている. ここでジャックナイフ-t統計量とは, バイアス修正の性質をもつジャックナイフ型確率変量を, その標準偏差に対するジャックナイフ推定値によってスチューデント化した量を意味している. 被覆確率の観点から考えると変動係数の現実的な値の範囲内では, 3次のコーニッシュ・フィッシャー展開に基づく信頼区間が最もよいことがわかった. また2次のコーニッシュ・フィッシャー展開に基づく信頼区間は正規近似に基づく信頼区間をかなり改良していることもわかった. 数値実験は母集団分布に正規性を仮定して行った. またジャックナイフ-t統計量の分布関数に対する3次までのエッジワース展開を求め, 上と同様な3種類の分布関数の近似についての議論も行った. 得られた結果は信頼区間の場合と同様であり, 母集団変動係数の値が非常に大きい場合を除けば, 正規近似, 2次のエッジワース近似, 3次のエッジワース近似の順に真の分布関数に対する近似が良くなっていくことがわかった.
keyword{Jackknife-t quantity, Third-order Cornish-Fisher expansion, Confidence interval, Coverage probability}
統計教育と統計教育用ソフトウェアの一方向性
栗原考次:岡山大学教養部統計学教室
〒700 岡山市津島中 2-1-1 (Tel. 086-251-8508)
現象の分析や解明などのために統計的データ解析は日常的に行われているが, 偏ったあるいは誤解を生じるような結果も多く見られる. そのため, 本論文では, 学校教育において統計的な見方や考え方を十分に把握し, 得られたデータを正しく分析し適切な判断をする能力の開発および一般統計教育から専門統計教育さらに研究者, 統計解析技術者および統計教育者の育成という組織的な統計教育体制(統計教育ピラミッド)の充実の必要性を論じる. また, 統計教育に関する問題点や改善すべき点について5W1Hの観点から考察し, 今後の検討課題として一般および専門統計教育の充実, 統計教育者の養成, 実生活に密着した教材の開発などを示す. そして, 新しい専門統計教育の例として岡山大学環境理工学部環境理工学科の統計教育を紹介する. さらに, コンピュータを利用した統計教育の1つの教育法を提案し, その有効性について論じる.
keyword{Statistics literacy, Tutorial system, CAI}
乱数とモンテカルロ法
宮武 修
〒590-01 堺市若松台 1-1-1-701 (Tel. 0722-91-8649)
現行の乱数発生法と, モンテカルロ法とにはいろいろな欠点がある. これらの欠点について考察し, その解決法を探る. 最後に, モンテカルロ法において重要と思われる2,3の問題にふれる.
keyword{Arithmetic random generator, Physical random generator, Pertubation, Quantum Mechanics}
SAS/MULTTESTプロシジャの生物統計データへの活用
浜田知久馬:東京大学医学部薬剤疫学教室
〒113 東京都文京区本郷 7-3-1 (Tel. 03-3815-5411)
岸本淳司:(株)SASインスティチュートジャパン
〒104 東京都中央区勝どき 1-13-1 (Tel. 03-3533-6921)
近年のコンピュータハードウェアの進歩によって, いわゆるコンピュータ・インテンシブな統計解析手法の利用が急速に進行している. 医学・生物・疫学分野でよくみられるデータを例にとってSASのMULTTESTで標本再抽出法を活用する方法を示す.
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