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「計算機統計学」第23巻2号 目次・要旨
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論文
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単回帰におけるDepthを用いたロバスト推定法とその検証 |
藤木美江・白旗慎吾 |
動画像に基づく移動オブジェクトの大きさに関する統計的レジストレーション ―歩行動画像への応用 |
大草孝介・鎌倉稔成・村上秀俊 |
区間値関数データの微分とその応用 |
池田智康・小宮由里子・南 弘征・水田正弘 |
ソフトウェア記事
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数理計画ソフトウェアNUOPT の統計解析への応用 |
原田耕平 |
学会活動記事
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日本計算機統計学会第24回大会報告 |
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田村義保 |
関連学会記事
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COMPSTAT2010に参加して |
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林 邦好 |
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単回帰におけるDepthを用いたロバスト推定法とその検証
藤木美江・白旗慎吾
本論文では, 単回帰における回帰(Regression)depthを基に導き出された最深回帰推定量(Deepest Regression Estimator)について議論する. この推定量は, 従来の最小2乗法に比べて正規分布からのずれと外れ値による影響が小さく, ロバスト回帰推定量に比べて効率の低下も小さい. しかし, データ数が小さい場合,最深回帰推定量は不安定になり, 健全でない結果をもたらす問題がある. 単回帰においてデータ数が小さい場合に生じる問題を改善するために, 推定量の導出に中央値を用いる方式を提案した. 新しい導出方式に対して, シミュレーション実験により, 平均値を用いる従来の導出方式との比較から性能評価を行なった. この実験結果より, データ数の大小に依存しない推定量であることを示した. |
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動画像に基づく移動オブジェクトの大きさに関する統計的レジストレーション ―歩行動画像への応用
大草孝介・鎌倉稔成・村上秀俊
近年, ビデオカメラで撮影された映像データを用いた研究が盛んに行われている. なかでも映像中で観測対象が移動する場合の解析手法については, 認証技術や人間の運動評価などへの応用が活発に行われている.
しかしながら, これらの解析は撮影条件に依存しており, 観測対象がカメラと正対して移動する場合の解析は, 映像上で対象が拡大してくるために分析が難しい.
本論文ではそのような撮影条件における映像上の拡大成分の補正法を提案し, 応用例として実際に人間の歩行動作の解析を行う.
提案手法では最初に, 撮影された映像からフレーム間差分画像を作成し, 観測対象の抽出を行う. 次に, カメラと観測対象との関係式を元に, 統計的手法を用いて拡大成分の補正を行う.提案手法の評価においては, 実際にカメラに正対して接近してくる人間の歩行データに提案手法を適用し, 撮影状況における補正結果の変化や, 被験者間の結果の違いなどについて検証を行い, 提案手法についての考察を行った. |
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区間値関数データの微分とその応用
池田智康・小宮由里子・南 弘征・水田正弘
本研究では, 解析対象を上限関数と下限関数からなる区間値関数データとして表現した場合を考え, その微分を提案する. さらに, 区間値関数データの導関数を用いたクラスター分析の手法を提案する.
Didayが提案したシンボリックデータ解析では, データを区間値, 集合, モダル値などで記述し, 様々なデータ構造を解析する(Diday & Noirhomme-Fraiture, 2008). また, データを関数として表現し, 連続的な変化などを解析する手法として, Ramsay が提案した関数データ解析がある(Ramsay & Silverman, 2005). これらの手法は, 我々が扱うデータが多様化した現在, データを適切に表現し解析する手法として注目されている.
関数データをシンボリックデータ解析の体系へ拡張した研究として, 豊田らは区間値関数データのクラスター分析法を提案している(豊田他, 2009). 本研究では, この区間値関数データの微分について扱う. また, これをクラスター分析へ適用し, 実データを用いて考察する. |
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数理計画ソフトウェアNUOPT の統計解析への応用
原田耕平
本稿では数理計画ソフトウェアNUOPT1及び, その統計解析への応用例を紹介する. 数理計画ソフトウェアNUOPTは, 株式会社数理システムによって開発された, 国産の数理計画ソフトウェアである. 扱いやすいモデリング言語と, 多様なアルゴリズムを搭載している点が特徴である. 近年はアルゴリズムのラインナップに半正定値計画問題に対する内点法が追加された(Yamashita et al., 2006). 本稿ではNUOPT及びその応用として, 半正定値計画問題として定式化できる統計の問題を紹介する. |
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