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「計算機統計学」第17巻1号 目次・要旨
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論文
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無作為副次標本を用いる等分散のためのMoses検定法 |
牛澤賢二・佐藤義治 |
ベイズ逐次学習による潜在クラスモデルのパラメータ推定 |
黒田正博 |
潜在クラス分析を用いたマーケットセグメンテーション
-顧客の購買パターンによるマーケットセグメント創出のモデル- |
櫻井尚子 |
擬似応答を用いたロバストな回帰モデルの推定と外れ値の検出 |
肥田英明 |
総合報告
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因果ダイアグラム・構造方程式モデルによる因果推論 |
宮川雅巳 |
ソフトウェア記事
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教育用統計ソフトウェアSPBSの開発 |
村田勝敬 |
学会活動記事
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日本計算機統計学会第17回シンポジウム報告 |
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松岡 淨 |
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無作為副次標本を用いる等分散のためのMoses検定法
牛澤賢二・佐藤義治
標本を分割して副次標本を構成する従来のMoses検定に対して, 本論文では, 標本から重複を許して無作為抽出し副次標本を構成する手
続きを提案し, そのときのMoses検定統計量の分布特性を調べ, さらに, その精度と検出力を他のいくつかの検定法と比較している. 従来型
のMoses検定法が抱えていた問題点が解消されるとともに, 検出力に関しても優れた性質をもつことが示される.
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ベイズ逐次学習による潜在クラスモデルのパラメータ推定
黒田正博
本論文では, 潜在クラスモデルのパラメータ推定におけるベイズ逐次学習の適用可能性を検討する. まず, 潜在クラスモデルにおいて仮定
される局所独立性の構造を事前分布で表現するために, hyper consistencyという概念にもとづくhyper Dirichlet 事前分布を仮定する. これ
により, モデルパラメータごとで柔軟な事前分布の設定が可能になる. ただし, 潜在変数の観測値が常に欠測している潜在クラスモデルで
は, 事後分布は混合 hyper Dirichlet 分布となり, 分布の共役性および局所独立性の構造を保存することができない. そこで, これらの性質
を保つ近似分布を逐次求めるベイズ学習によるパラメータ推定法を提案し, 数値実験により推定性能を検証する. |
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潜在クラス分析を用いたマーケットセグメンテーション
-顧客の購買パターンによるマーケットセグメント創出のモデル-
櫻井尚子
本論文では, ID付きPOSデータに対して制約付き潜在クラスモデルを適用し, 顧客の購買行動パター
ンをもとにした同質と異質の新たな顧客セグメントの創出方法を提案する. ブランド別応答頻
度を多項分布からの実現値とみなして, ブランド購入回数に関する確率変数をポアソン分布と
する仮定のもとで, EMアルゴリズムを用いて潜在クラスパラメータの推定を行った. 創出さ
れたセグメントは所属する顧客の各プロダクト選択行動確率での特徴づけが可能である.
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擬似応答を用いたロバストな回帰モデルの推定と外れ値の検出
肥田英明
本稿では, 回帰モデルのロバストな推定を, 擬似応答の生成によって簡便に実現する方法を提案する. 提案法は, パラメトリック回帰およ
びノンパラメトリック回帰のいずれでも適用することができる.
シミュレーション研究の結果から, 提案法による回帰モデルの推定性能が外れ値のないときは通常の外れ値を考慮しない回帰と劣らず, 外
れ値のあるときも従来のロバスト回帰の方法と遜色ない性能を示していた. そして, 提案法で推定された回帰モデルに基づいて外れ値が適切
に検出されることが確認された.
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因果ダイアグラム・構造方程式モデルによる因果推論
宮川雅巳
構造方程式モデルは多変量の生成過程を記述した統計的因果モデルであり, 因果ダイアグラムと呼ばれる非巡回的有向グラフで図的表現さ
れる. 先験的に与えた因果ダイアグラムをもとに, 観察される相関情報から因果的効果の大きさを定量的に推測する作業が構造方程式モデル
に基づく統計的因果推論である. この因果ダイアグラムに基づく統計的因果推論の数学的基盤を与えているのは, 因果関係とは本来無関係な
確率モデルであるグラフィカルモデルとそこでのマルコフ性である. 本稿の目的は因果ダイアグラムによる推測原理とその具体的利用法につ
いて論じることである. |
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教育用統計ソフトウェアSPBSの開発
村田勝敬
教育用ソフトウェアの1つとして, The Statistical Package for the Biosciences (SPBS統計パッケージ)
を紹介する. 本ソフトウェアは, 日本語対話方式を採用することにより統計ソフトウェア自体の操作が簡単であることに加え,
正規性検討, 有意差検定, 相関分析, 回帰分析等の基本的な統計解析の結果を図示できることを主たる特徴としている.
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