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「計算機統計学」第14巻2号 目次・要旨 |
論文
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拡張したオブジェクトによる重回帰支援システム |
小林郁典・中野純司・渡邉勝正 |
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仮想並列計算機によるデータ解析の実行時間に関する考察 |
南 弘征・水田正弘 |
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ニューラルネットワークを用いた層別因子を含む回帰構造の解析 |
浅野美代子 |
総合報告 |
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心理統計学と多変量データ解析 |
足立浩平 |
ソフトウェア記事
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不完全データの多重代入法ソフトNORMの紹介 |
金 鉉延・文 勝浩・申 在景 |
学会活動記事
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日本計算機統計学会第15回大会報告 |
垂水共之 |
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欧文誌掲載論文概要: J. Japanese Soc. Comp. Statist., 13(1), 2000 MIN |
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正法地孝雄 |
関連学会記事
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ISI2001参加記 |
酒折文武 |
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拡張したオブジェクトによる重回帰支援システム
小林郁典・中野純司・渡邉勝正
重回帰分析のための支援システムRASS2は, 利用者に重回帰分析を知的に支援する環境を提供するだけでなく,
その構成や内容を柔軟に変更できるような環境も提供することを目的として設計・開発された.これを実現するために, オブジェクト指向のオブジェクトを,
局所的な重みをもつルールをもつように拡張し, そのルールに基づいて自発的に振舞うモジュールを基本構成要素とした.システムに存在する複数の拡張されたオブジェクトは,
重回帰分析に必要な手続きや知識を1つのまとまりとして実装することができ,
各オブジェクトが持つルールと解析の状況に基づいて, 解析手順や様々な情報を自発的に利用者に提示することができる.
本論文では, この拡張したオブジェクトをどのように実装したのか, また, RASS2におけるそれらの役割と構成について述べる.
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仮想並列計算機によるデータ解析の実行時間に関する考察
南 弘征・水田正弘
計算機資源の高速化・低価格化などにより, 処理可能なデータ, ならびに解析手法は増加している.
加えて, 単体でも高速である計算機をコンピュータネットワークにより相互結合し,
仮想的に1つの並列計算機として稼働させることが可能となっている. 本論文では,
データ解析における仮想並列計算機の利用について, ブートストラップ法に関するシミュレーションによる数値実験を行ない,
実行時間に関する特性を評価した. 実験結果および考察を通じ, 仮想並列計算機を用いたデータ解析に際してのプログラムの実装に関する留意点や実行時間に関するモデル式など,
いくつかの有益な結果を得ることができた.
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ニューラルネットワークを用いた層別因子を含む回帰構造の解析
浅野美代子
本論文では,フィードフォワード型ニューラルネットワークモデルによって,層別因子を含む回帰構造を解析する方法について検討する.特に,中間層に比較的少ないユニット数を配置したニューラルネットワークで,層別因子を顕在的ないしは潜在的に含む構造を表現しうることを数値実験によって示す.また,本手法を適用した事例解析として,事務所ビルにおけるトイレの瞬時最大使用水量を解析する.ここでは,当初入力変数に加えていた「季節」と「性別」という2つの層別因子を代替する変数によりその要因効果を得ることが可能になる.さらに,この入力変数の組み合わせにより構築されたモデルを用いて予測を行うことの有効性を示す.
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心理統計学と多変量データ解析
足立浩平
計量心理学は心理データの統計解析法の研究開発を主なテーマとし、心理学の事情に応じて独自の多変量データ解析法を萌芽・発展させてきたが、その経緯や最近の研究動向を報告する。まず、現在も重要な「古典」であるサーストン尺度構成と古典的テスト理論を概観した後、記述的な多次元解析法(数量化法・拡張主成分分析・多次元尺度法)、および、潜在変数分析(因子分析・構造方程式モデリング・項目反応理論)について記す。以上の報告に加え、心理学における統計法の普及(心理統計教育)や、計量心理学と関連の深い数理心理学にも言及する。
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不完全データの多重代入法ソフトNORMの紹介
金 鉉延・文 勝浩・申 在景
NORMというのは不完全多変量データを多重代入するためのWindows95/98/NT用のソフトである。NORMは欠測値代入のために用いられたモデルが多変量正規分布であると仮定(Multiple
imputation of incomplete multivariate data under a normal model)したことから名前が付けられている。NORMにおける主要な機能としては、1)
平均、分散、共分散(あるいは相関)の十分統計量を求めるためのEM アルゴリズム、2)
欠測値の多重代入を生成するための data augmentation 過程、3) 正規分布ではない変数のための変数変換の事前と事後代入過程、4)
data augmentationの収束を検定、確認するためのプロット、5) 不確実な欠測資料を併合して全体(overall)推定値と標準誤差を生成するために点推定値に対する
Rubin(1987)の規則を用いた多重代入データ分析の結果の結合およびマルチパラメータ推論、などがある。
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