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「計算機統計学」第14巻1号 目次・要旨 |
会長就任にあたって |
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21世紀のさらなる発展を期して |
上野南海雄 |
論文
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ウェーブレット関数系による時系列データの平滑化 |
森 隆一・三澤哲也 |
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ニューラルネットワークの力学系による釣り合い不完備ブロック計画の構成 |
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豊田荘一・白旗慎吾・竹内康滋 |
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有限区間における回帰直線の信頼帯の構成 |
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藤澤正樹・馬場光正・坂本 亘・後藤昌司 |
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MDL基準による用量水準比較のためのノンパラメトリック検定 |
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星野直人・関 庸一 |
総合報告 |
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ミームメディア・アーキテクチャとデータベースの可視化・具現化フレームワーク |
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田中 譲・杉淵剛史・大東 誠・村上隼也 |
ソフトウェア記事
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Win-DAS(WINdows Discriminant Analysis Software)の紹介 |
中西寛子 |
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汎用ビジュアリゼーションソフトウェア AVS |
弓場伸久 |
学会活動記事
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日本計算機統計学会第14回シンポジウム報告 |
大石雅彦 |
関連学会記事
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IMPS2001に参加して |
清水信夫 |
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ウェーブレット関数系による時系列データの平滑化
森 隆一・三澤哲也
本報告では, 時系列データの平滑化を求めるとき, 近似関数と時系列データの折れ線グラフを表す関数との差のH1ノルムを近似評価関数(誤差関数)とする方法を考察する. ここでは, 近似関数系としてメイヤー・ウェーブレット関数系を採用し, 誤差関数を最小とする最適近似関数を求める方法としては, 焼きなまし法を用いる. テストデータの近似結果から, 最適評価関数値(最適評価関数の評価関数値)はデータの変化の大きさを表す量となることが示される. また, 応用として, 株価時系列データの平滑化と上記にもとづいた最適評価関数値を分析することにより, データの特異な変動を特定する方法を提唱するとともに, 実際の株価データへの適用を試みる.
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ニューラルネットワークの力学系による釣り合い不完備ブロック計画の構成
豊田荘一・白旗慎吾・竹内康滋
釣合不完備ブロック計画は最もよく応用される実験計画手法の一つであり, 交互作用がない場合の実験回数の節約に有用である. その構成は有限体, 有限幾何, ラテン方格等を利用してなされるが, 一般には簡単ではなく統一的な方法もない. また, ニューラル・ネットワークの中で, 階層型ネットワークは統計的データ解析でかなり広く応用されている. 一方, フィードバックのあるホップフィールド型ネットワークは, 巡回セールスマン問題などの最適化問題に広く応用されているが, 統計学ではほとんど使われていない. 本論文ではホップフィールド型ニューラル・ネットワークの統計学への応用として, その力学系のエネルギー最小化の性質を用いて釣合不完備ブロック計画を構成する方法を考察する.
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有限区間における回帰直線の信頼帯の構成
藤澤正樹・馬場光正・坂本 亘・後藤昌司
本稿では, 有限の関心区間上での回帰関数の信頼帯, とくに同一幅信頼帯および台形信頼帯の構成法を考察する.
事例検討と数値実験から, これらの信頼帯の被覆率および効率(面積比)を吟味する.
被覆率の観点から関心区間が有限である場合には, Working-Hotelling 帯でなく同一幅信頼帯
(Gafarian 帯) および台形信頼帯 (Bowden-Graybill 帯) を用いることが理にかなっている.
とくに, 関心区間の長さが観測許容区間の長さに比して小さい場合に, このことが強調される.
また, 効率に関する検討から, 関心区間が観測許容区間の比較的端の方にある場合には,
台形信頼帯を用いることが強く推奨される.
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MDL基準による用量水準比較のためのノンパラメトリック検定
星野直人・関 庸一
反復投与毒性試験において, 毒性は用量とともに増加すると仮定できる場合に,
複数の用量水準を対照の零用量と比較して有意差が認められない最大の用量(無毒性量)を決定する問題を考える.
著者らはすでに, データが正規分布に従うという仮定のもとでこの問題をモデル選択問題として定式化してMDL基準に基づくMDL検定を提案し,
その有効性を示している(星野・関, 1996). 本論文では, データをその順位で置き換えることによりデータの分布型を仮定しないノンパラメトリックの場合へMDL検定を拡張し,
小標本についての近似臨界値を与える. さらに, モンテカルロシミュレーションを用いて,
提案法による無毒性量の正決定率および誤決定率を従来法と比較する.
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ミームメディア・アーキテクチャとデータベースの可視化・具現化フレームワーク
田中 譲・杉淵剛史・大東 誠・村上隼也
情報, 知識, アイデアや作品, さらには各種ツールを含むあらゆる情報知財を,
再編集・再流通可能な有機的形態で, 学際的かつ国際的に流通交換する必要性がますます高まっている現在,
科学技術知識ならびに文化的知識を有機的な形態に外在化し, その高度な利用,
国際流通, 再利用, 再編集を促進するような新しいメディア技術が必要とされている.
このようなメディアは, リチャード・ドーキンスのいうミーム (文化遺伝子)を運ぶので,
ミーム・メディアと呼ぶことができるであろう. 社会におけるミームの蓄積は遺伝子プールの機能を果たすミーム・プールを形成する.
この論文では, ミーム・メディアに関する著者らの研究開発を紹介するとともに,
データベース・レコードをインタラクティブな3次元オブジェクトとして仮想空間内に実体化する応用フレームワークを提案する.
3次元ミームメディア・アーキテクチャIntelligentBoxがこのフレームワークの基盤となる.
IntelligentBoxの任意の合成オブジェクトを, 仮想空間における実体化のためのテンプレートとして定義して用いることができる.
この合成オブジェクトの各パラメータの値が, 任意に選んだレコード属性の値に一致するように,
パラメータとレコード属性の対応付けを指定することができる.
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Win-DAS(WINdows Discriminant Analysis Software)の紹介
中西寛子
判別分析ソフトウェアWin-DASの紹介をする. 本ソフトは, 主として, 分光器(スペクトルスコープ)により得られたデータ(分光データ)の判別分析, および, クラスモデリングを扱っている. 分光データは周波数ごとに反応値を観測するため, ケースに比較して変数が非常に多いという統計的問題がある. また, 分光データ固有の問題もある. このため, 前処理が必要となり, 一般の判別分析やクラスモデリングをそのまま用いることはできない. Win-DASは分光データ解析の前処理として, データの基準化やデータの圧縮が行えるよう配慮されている(このことは, ケモメトリックスの分野において通常行われていることである). また, 前処理の結果や解析結果が視覚的に理解できるよう考えられている. 操作も容易であり, 化学の分野以外での応用も可能である.
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汎用ビジュアリゼーションソフトウェア AVS
弓場伸久
数値データを可視化して分析するには, そのデータ構造に合った座標を設定して都度,
描画プログラムを書かなければならなかった. AVSはサブルーチン機能を持ったプログラム部品であるモジュールを組合わせるだけでデータの可視化を実現するオブジェクト指向のソフトウェアである.
本稿ではAVSの最新バージョンであるAVS/EXPRESSの概要を事例紹介と共に行う.
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